「高血圧治療ガイドライン2019」が改訂されました。名前も若干変更され、「高血圧管理・治療ガイドライン 2025」となりました。治療薬について新薬の追加などがありますが、高血圧の定義、生活習慣の改善などの基本的内容には大きな変化はありません。しかし、高齢者の降圧目標については多少の変化がありました。
まず、高血圧の定義は下記の通りで今までと変わりはありません。
収縮期血圧 拡張期血圧 | |
診察室血圧 | ≧140 かつ/または ≧90 |
家庭血圧 | ≧135 かつ/または ≧85 |
降圧目標(どこまで下げるか)については、年齢に関係なく下記となっています。
診察室血圧 | <130/80 |
家庭血圧 | <125/75 |
実は、この降圧目標はガイドライン2019においては、高齢者ではもう少し甘く設定されていたのですが、今回のガイドラインでは年齢に関係なく、基本的に上記に統一されました。つまり、高齢者でも診察室での降圧目標は<130/80です。もちろん、高齢者の降圧に関しては急激な降圧は良くありませんが、最終的な目標は上記となったわけです。
今でも家庭血圧が140/90で安心している患者さんも多いかもしれませんが、主治医と相談して降圧目標を再度確認してください。
なお、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、慢性腎臓病などの疾患がある方の降圧目標は別途定められていますので、やはり主治医とご相談ください。