ニキビ・酒さ・乾癬・掌蹠膿疱症・その他疾患 | 新宿区西新宿の皮膚科・内科 | 西新宿サテライトクリニック
ニキビ・酒さ・乾癬・掌蹠膿疱症・その他疾患 OTHER

ニキビ・酒さPimple(Acne)

ニキビ(ざ瘡)

写真:尋常性ざ瘡
尋常性ざ瘡

ニキビは顔面、頭部、胸部、上背部などの脂漏部位の皮脂腺毛包が慢性炎症をおこしたものです。毛包炎の一種です。ニキビではいくつかの皮疹が認められます。炎症を起こす前の毛穴が角栓によりふさがれた状態のものを白ニキビ(面皰めんぽう)と呼びます。赤く盛り上がった丘疹、膿(うみ)を持った膿疱、キズあとの瘢痕などです。
ニキビができる要素には4つあります。①男性ホルモンの影響による皮脂分泌の増加(年齢)、②角栓が皮脂の出口をふさぐ(ふさがない、洗顔)、③アクネ菌の増殖(抗菌薬治療)、④白血球の働きによる炎症の悪化(抗炎症薬)。したがって、それぞれの過程を抑えてやればニキビはできにくくなります。

ニキビの治療には3段階あります。赤ニキビの治療、ニキビをできにくくする治療、瘢痕治療(美容医療)です。赤ニキビの治療には抗菌薬を使用します。耐性菌を作る可能性はありますが、肌荒れしにくく、肌の弱い人でも安心して使用できます。抗菌薬の内服のほかに、外用治療としてクリンダマイシン、ニューキノロン系(アクアチム®、ゼビアックス®など)、ケトコナゾールを使用します。ニキビをできにくくする、あるいはニキビあとを目立たなくする慢性期の治療としてアダパレン(ディフェリン®、エピデュオ®など)と過酸化ベンゾイル(ベピオ®、デュアック®、エピデュオ®)をお勧めします。いずれもかなり肌荒れしますので、注意して使用してください。ビタミン剤の内服に効果は証明されていません。漢方薬も今ひとつなので当科では処方しません。いずれの治療もニキビを治癒させるものではなく、継続することが必要です。さらにニキビあとをきれいにしたい場合には美容医療となります。重症度に応じて、フラクショナルレーザーやニードルRFが有効です(当院では行っていません)。ケロイド状の瘢痕には保険診療でステロイドを局所注射することもあります。

酒さ

酒さは中高年の顔面に生じる疾患で、血管拡張、紅斑、丘疹など赤ら顔の症状を特徴とします。かゆみはありません。ニキビに近いが原因は解明されていません。ステロイドやタクロリムスの外用で悪化します。治療には長い時間が必要です。メトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)やアダパレン(ディフェリン®)などの外用を行いますが、いずれも肌荒れしやすいので注意が必要です。血管拡張に対しては色素レーザーが有効ですが、当科では行っていません。

写真:酒さ
酒さ

乾癬・掌蹠膿疱症Psoriasis

乾癬

乾癬では角化性紅斑が頭部、躯幹、四肢に多発しますが、徐々に範囲が広がるとともに、爪病変や関節痛を伴うことがあります。当院で扱うのは軽症、中等症までの方です。主として外用・内服療法と生活指導を行います。具体的な処方については院内で提示します。中等症を越えて範囲が広がる方には、治療費は高くなりますがアプレミラスト(オテズラ®)の内服治療をお勧めします。光線療法には対応していません。重症で関節炎もある方にはTNFα抗体やIL-17関連抗体などの生物製剤が適応となります。注射を希望される方は東京医科大学病院皮膚科をご紹介します。

写真:尋常性乾癬
尋常性乾癬

掌蹠膿疱症

手のひらや足の裏に紅斑や黄色い小膿疱が繰り返しできる慢性の病気です。自然寛解することがあります。欧米では乾癬の1病型と考えられています。胸鎖関節炎を伴うことがあります。病巣感染(虫歯、扁桃炎、副鼻腔炎、中耳炎など)を伴っていることがあり、抗生物質を内服すると一時的に良くなることが多いです。治療は乾癬に準じます。
生物製剤の注射を希望される方は東京医科大学病院皮膚科をご紹介します。

写真:掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症

その他の疾患Other diseases

皮膚がん

皮膚がんの頻度は徐々に増えています。最も頻度の高い皮膚がんは基底細胞癌で、顔面の黒色腫瘤として気づかれます。その他に日光角化症、ボーエン病、有棘細胞癌などがあります。ホクロのがんとしては悪性黒色腫が有名です。日本人の発生頻度は欧米人の1/20ですが、手掌、足底に多いのが特徴です。その他の重要ながんには陰部のアポクリン腺部位にできるパジェット病、高齢の男性の頭部に発症する血管肉腫、皮膚に紅斑や腫瘤が多発する皮膚リンパ腫などがあります。
視診・触診による臨床診断とダーモスコピー検査を行います。さらに皮膚生検による病理診断を実施した後、あるいは皮膚生検も含めて手術のため東京医科大学病院皮膚科をご紹介します。

写真:基底細胞癌
基底細胞癌

水虫

水虫は白癬菌(皮膚糸状菌)というカビによって起こる感染症です。しかし、肉眼で見ただけでは診断できません。足の裏の皮膚の一部や爪の一部を取って顕微鏡で診断します(直接鏡検)。簡単な検査で痛みもありません。水虫(足白癬)は治らないと思っている人が多いですが、正しい診断に基づいてきちんと治療すれば必ず良くなります。通常は抗真菌薬を外用します。塗り方のポイントは、外用薬を1日1回、風呂上りに、水虫の症状があるところだけでなく、かかとからつま先まで、足趾の間、爪などを含めて両足全体に塗ることです。

写真:爪白癬
爪白癬

爪水虫(白癬)の治療薬には内服と外用があります。内服薬にはフォスラブコナゾール(ネイリン®)、テルビナフィン、イトラコナゾールの3種類があります。いずれの薬も肝機能障害の副作用があるため、定期的な血液検査が必要です。完治する割合は6-7割です。内服できない人や軽症の人には治療効果は劣りますが、外用薬でも治療できます。外用薬にはエフィナコナゾール(クレナフィン®)とルリコナゾール(ルコナック®)の2種類があります。いずれの治療も保険診療です。

ヘルペス(単純疱疹、帯状疱疹)

帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそう(水痘帯状疱疹)ウイルスに過去に感染した人が、体調をくずした時にウイルスが再び勢いを取り戻して皮疹を生じたものです。右左どちらか半身にでき、痛いのが特徴です。皮疹は2-3週間で治りますが、神経痛は長く続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。一度かかると抵抗力ができて2回なる人はまれです(終生免疫)。治療はウイルスの増殖を抑える薬、バラシクロビル(バルトレックス®)、ファムシクロビル(ファムビル®)あるいはアメナリーフ®を1週間内服します。症状がひどい人は入院の上、抗ウイルス薬の点滴となります。痛みに対しては鎮痛薬などを内服します、強い神経痛に対しては神経に麻酔薬を注射する神経ブロックも可能です(大学病院紹介)。帯状疱疹の発症と重症化を予防するワクチンを接種できます。シングリックス®は2回筋肉注射で自費診療です。1回あたり22,000円、50歳以上が対象です。

写真:帯状疱疹
帯状疱疹

単純疱疹

単純疱疹(たんじゅんほうしん)は単純ヘルペスウイルス(HSV)により口周囲(HSV-1)や陰部・臀部(HSV-2)などの限られた範囲に痛みを伴う小水疱、紅斑、びらんを生じる疾患です。HSVは経皮感染後に局所の神経節に潜伏感染し、体調不良などで宿主の免疫が低下すると再活性化して皮疹を生じます。1週間程度で症状は軽快しますが、帯状疱疹と異なり何度でも再発します。治療は抗ウイルス薬であるバラシクロビル(バルトレックス®)あるいはファムシクロビル(ファムビル®)を5日間、あるいはアメナリーフ®を1回内服します。症状の出始めに内服するのが効果的です。頻回に症状がでる人は少量を継続して内服する治療法もあります。一般に不顕性感染が多く、症状がでる人は少ないです。初感染の場合には症状がひどく、入院治療が必要になる場合があります。アトピー性皮膚炎の場合にはカポジ水痘様発疹症と呼ばれる顔面の広い範囲に症状があらわれることがあります。

写真:単純疱疹
単純疱疹

爪のトラブル

爪のトラブルには感染症から腫瘍までいろいろあります。疾患に応じた治療が必要です。
陥入爪:爪が周囲の皮膚に当たることで炎症を起こし痛みを生じます。爪を切りすぎないようにしましょう。当院ではフェノール法、ガター法、液体窒素などによる処置とテーピング法の指導を行っています。ワイヤーや特殊器具を用いた自費診療には対応していません。
爪白癬(爪の水虫)、細菌性爪囲炎(ひょう疽):抗菌薬の内服外用
巻き爪 肥厚爪 爪鈎彎症(爪が曲がる)爪甲剥離(爪が浮く):爪の形の異常
腫瘍:グロームス腫瘍(痛い良性腫瘍)爪メラノーマ(黒い悪性腫瘍)
爪甲下出血(圧迫による出血 黒くなる)

写真:陥入爪
陥入爪

イボ・タコ・魚の目

一口にイボといっても良性腫瘍の脂漏性角化症、軟性線維腫からウイルス性疣贅までさまざまです。的確な診断を行ってから、液体窒素などによる治療を行います。タコ(胼胝)や魚の目(鶏眼)は基本的に削りますが、外用薬も使用します。

写真:尋常性(ウイルス性)疣贅
尋常性(ウイルス性)疣贅

粉瘤(アテローム)・せつ(おでき)

粉瘤(ふんりゅう)は皮膚の中にできた丸い袋状の構造物です。多くは盛り上がりの中央に黒い点(開口部)が見えます。徐々に大きくなり、袋が内部で破れて中身のアカや皮脂が周囲に飛び散ると突然赤く腫れあがり痛みを伴います。さらに炎症が進むと悪臭のある白いアカ成分が皮膚表面に出てきます。背中、顔面などにできやすい。炎症が強い時は麻酔のもとに切開して中身を排出し、抗生物質を内服します。せつは毛の細菌感染です。粉瘤と似ていますが、白い物質は排出されず、膿と出血を認めます。抗生物質を内服します。

写真:胸部の粉瘤
胸部の粉瘤

シミと白斑

シミとはメラニン色素が増えてできる色素斑のことです。白斑とは逆にメラニン色素が減って皮膚が白く見える状態をいいます。シミでもっとも重要なことは良いシミと悪いシミ、治療しやすいシミとそうでないものを見分けることです。確実な診断をしてから必要に応じてレーザーなどによる治療を行いましょう。

写真:尋常性白斑
尋常性白斑

シミの種類には老人性色素斑(日光黒子)、炎症後色素沈着、肝斑、雀卵斑(そばかす)、後天性真皮メラノサイトーシス(両側性太田母斑様色素斑)、太田母斑(青アザ)、扁平母斑・カフェオレ斑(茶アザ)などがあります。当院では肝斑に対してトラネキサム酸(トランサミン®)とビタミンCの内服治療を行っています(保険診療)。また、ハイドロキノン外用剤(メラノキュア®)を販売しています。後天性真皮メラノサイトーシスや太田母斑にはQスイッチ付きのレーザー治療が有効ですが、当院では行っていません。老人性色素斑や脂漏性角化症(老人性イボ)に対して当院では保険診療の範囲内で液体窒素療法を行っています。また、ハイドロキノン外用剤をお勧めしています。当院では対応していませんが、自費診療でレーザー治療や光治療を行うこともできます。

悪いシミには基底細胞癌や悪性黒子(メラノーマの早期病変)などがあります。ダーモスコピーで観察を行った後に皮膚生検で診断を確定し、悪性腫瘍全摘術を行います。手術のために東京医科大学病院皮膚科を紹介します。

代表的な白斑には尋常性白斑があります。この疾患は円形脱毛症と同じく自己免疫疾患です。メラノサイト(色素細胞)を攻撃目標としています。完治させることはなかなか難しいですが、治療には外用療法、各種光線療法、皮膚移植術、新しい治療薬の可能性(JAK阻害薬)などがあります。希望される方は東京医科大学病院白斑外来を紹介します。コンシーラー(化粧品)や日焼け止めで皮膚の色むらを目立たせなくさせることも生活において有用な方法です。

販売商品

メラノキュアHQジェル 8g シミを軽減 3,300円
メラノキュアHQジェルラージ 25g シミを軽減 8,800円
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